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疑問の深まり [日記]

秋の爽やかな日が続いていたというのに、12月に入った途端に冬の嵐になり、相馬市の山間部でもうっすらと雪化粧をしているという寒い12月の幕開けになりました。それだのに、朝の自由時間の年長児ときたら体操着への着替えを半袖で済ましてしまい「ぅぇぇ〜ぃ!!」なんつてお庭に駆け出てくるんですよ。ですからタカシ先生に「長袖着てらっしゃい!(めっ!)」なんて言われ「ちぇぇ〜タカシ先生は、ぬボーッと立ってるから寒いんだい。おらっちは駆け回るから体が暑くてしょうがねーんだい!」なんて思っているかどうかはわかりませんが「へーい」なんつて、クラスへ戻り長袖体操着を小脇に抱えて園庭に駆けて出直してくるのです。ふむふむ、なんだか「少年」って感じがしてなかなか良い。と、タカシ先生は着膨れながら登園するお友達に視線をもどすのであります。

そんな視線の先に、年長児の双子の男の子が目に止まりました。彼らはウンチングスタイルをバッチリ決め込み、椿の木の下でなにやら探し物をしています。そう、この時期、椿の木の下には椿の実が落ちているのでそれを探しているのです。それは今日だけではありません。11月後半から彼らは事あるごとに椿の木の下にしゃがみ込み、時には手のひらいっぱいの椿の実を拾い集めてご満悦。そして「前の幼稚園にはこんなのなかったしぃ〜!中村幼稚園って最高だよ!」なんてとてもいい表情と良い表現で宝物を探し、ゲットした宝物をタカシ先生に見せてくれるのです。

そして今日も彼らはいつも通り宝物を探しているのですが、ふとした疑問が湧いたようです。「先生、これって椿の実だよね。この中って何が入っているの?」と。そんな疑問にタカシ先生は「それは実は椿の種なんだよ。中には芽が出るように胚と胚乳が入ってて、土に埋めると芽が出て・・・」なんて言いません。一緒になって「何が入っているんだろうね。中に何が入っているのか割って見てみたら?」って提案してみると、「そうだね!」といって、砂の上で椿の実をガシガシ踏み始めました。

踏んでも踏んでも固い椿の実の殻は割れず、椿の実が砂に埋もれているだけなので、そこはタカシ先生「こっちの固いコンクリートの上で踏んでごらんよ」と。すると実をピンと人差し指で弾いて移動させ、改めて踏むのですが、今度は靴のクッションと非力な踏み方に椿の殻は一向に割れる気配がありません。「割れないなぁ」なんて言っていた彼らがどうするのか見ていると、今度は椿の実を指でつまみコンクリートに「ガリガリ」と擦り付けます。擦り付けては確認し、確認しては擦り付け。そんなことをしていると、固い殻が次第に削れ薄くなっていきます。数回そんなことをしているうちに「お!?中身が見えてきたぞ!」なんて目を輝かせ「これなら割れる!」と一気にガシッと踏みつけました。

椿の実の固い殻は見事に砕け、中からは薄緑色の胚乳が姿を表しましたが、それは押しつぶされぺったんこに。それを見た男の子の反応ときたら「おぉ!!椿の実の中には、黄緑色の粘土が入ってるんだ!!初めて知った!」って。そして「他の実も同じなのかな?」とさらに疑問が膨らみ「先生、もう1個。もう1個椿の実ない?一緒に探してよ!」なんて今度は比較の準備に入るのでした。

かくして、今朝のタカシ先生は彼らと共に、椿の木の下でウンチングスタイルをバッチリ決め込み、一緒になって椿の実を探すのでありました。疑問→予想→実験・工夫→検証→比較→検証→答え。彼らは大きくなったら科学者になりそうだな。

くぅ〜ウンチングスタイルしてないで写真撮ればよかったぁ・・。