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なぜかというと… [日記]

中村幼稚園に在籍したことのある方ならご存知と思いますが、タカシ先生が幼稚園にいる時は、常にジャージであります。この時期はキャップを被り、夏秋は麦わら帽子。冬になると毛糸の帽子になります。靴はスニーカーだし、足元が悪い時には長靴になります。とてもラフな「いでたち」なので、一目に「園長先生」とは思えないでしょう。過去に、学校の先生が来園された際、朝の立哨の為いつもの格好で正門に立っていると、まったくもってタカシ先生の目の前を挨拶もせずに素通りし、当然のようにタカシ先生に「あなたどなた?」と呼び止められ「学校から来た者です」とつっけんどんに返されズンズン入っていったもので「(園長の前を挨拶もせずに素通りとはいい度胸だ)身分証を出したまえ」と、とっ捕まえて「我が園長である、何か文句あるか?」という風にでかい目からビームを発射したことがある。ちなみに、その方は相馬の学校の先生ではないので皆安心したまえ。

閑話休題

「そんな格好でいるタカシ先生が悪い」という方もいらっしゃるかもしれませんし、世の中の園長先生は、スラックスを履き、カッターシャツを着込んでネクタイを締め、キリリとしているのが、まぁ普通というか、社会人というか。そうでなくでも身綺麗な服を着こなして園に佇んでいる、といった風が普通の園長先生なんでないの?という、そのご意見はごもっとも。

ではありますが、タカシ先生がそういった服を着ないのには「訳」があるのです。以下の写真を見たまえ。タカシ先生は常日頃こういう目にあっているのです。そして、そんなことはお構いなしに、「うむ、このコーヒーゼリーは、んまい!」とか「ケーキなんかいいよね。タカシ先生はいちごの乗ったショートケーキ」とか「ジュースじゃなくてお茶がいい」などといっては、お友達がご馳走してくれた中身を「もぐもぐ」「ごくごく」とこぼし、そのこぼしたものをスコップで「こぼすなこぼすな」とかけられておるのです。

タカシ先生が、日々ジャージでいるわけがわかったでしょう?

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この後この倍、かけられます。

みてみて! [日記]

今日のお昼時。タカシ先生はカメラを片手にイソイソと年少さんと、年少々さんのクラスへ向かうのです。なぜって?それは、幼稚園初のお弁当の日だからです!!「あらま、そんなことならおべんと、もっと気合いを入れて作るんだったわ!」なんて肩を落としている保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、何が入っていても、それぞれが家庭の味ですので、お気になさらず。

タカシ先生が教室の扉を静かに開けると、フォーク片手にこちらを振り向くお友達。初めてのお弁当に妙に興奮しているのに加えて、タカシ先生の登場ですもの。そりゃぁもぅ、「あたいのおべんとみてみて!」と、お弁当箱の蓋を開けて、お弁当箱を持ち上げて見せてくれるのです。その自慢気な表情といったら、保護者の皆様に見せてあげたいくらいです。中には、お弁当箱を持って、タカシ先生のところまで来て見せてくれるようなお友達もいたりして。でもね。もしそれを落としてしまったら。そりゃぁもう肩を落とすどころか、気分はどん底でしょう?しかも初めてのお弁当で・・・。ですので、「まてまて、タカシ先生が今行ってあげるから、椅子に座っていなさい」と言いながら教室を一周するのであります。

みなさま、何気に作っているお弁当だとは思いますが、子ども達にとっては「自慢のお弁当」。タカシ先生はしかと見届け、事務所に戻って自分のお弁当箱の蓋を開けるのであります。ちなみに、タカシ先生のお弁当のおかずは、昨日の夕飯の残りの唐揚げと卵焼き。どっかのプライベートブランドのかぼちゃのサラダにブロッコリー&プチトマト添えでありました。

これから先、長いお弁当作りですので、あまり気合いを入れて突っ走らないでくださいね。

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何から食べようか、迷っちゃう。

視線 [日記]

入園式から1週間がすぎて登園5日目です。まだまだ慣れない新入児は、目に涙をためて担任の先生のエプロンを「ヒシ」と握っていたり、それが溢れて大粒の涙をこぼしていたり。中には「ママにあいだい」と訴えてみたりと様々な方法で自分の思いを先生に伝えています。

そんな新入児の中にも少しは慣れてきたお友達もいて、今日は泣くことなくタカシ先生についてくる満3歳児。タカシ先生が、桜舞い散る園庭を眺めながらテラスに座ると、ちょこんとタカシ先生に抱っこしお庭で遊んでいる年長さんに視線を向けています。ちょうど、年長さんのクラス前からクラスごとに園庭に出てきたところで、ガランとしていた園庭が一気に活気付きます。

それと同時に、小さい組さんもお集まりになって、担任の先生がテラスに来て「お集まりしましょー!!」なんて声をかけ始めるのです。

ですからタカシ先生も膝に抱っこしているお友達に「おっと!お集まりだって、お部屋にいきましょうねぇ〜」と、できるだけ、機嫌を損ねないよう、ママを思い出さないよう、お家に帰るって言い出さないよう、猫撫で声で声をかけるのであります。

そんなタカシ先生らしからぬ声で声掛けをしているタカシ先生を見ていた、お庭に出てきた年長さんの、タカシ先生を見る目の、ひどく冷たいことぉーーーー!!!「タカシ先生、なんて声だしてんの?」とでも言いたげなその視線。そんな視線を向けるのだけは、やーめーてぇーーー!!

ママがいい! [日記]

桜満開の下で行われた入園式を終え、今日から幼稚園が始まりました。新入園児のお友達や、保護者の皆様にとっては、中村幼稚園初日ですね!

保育を終えて帰ってきたお友達の様子はいかがでしょう。年少さんや年少々さんは、訳が分からなくってあっという間に終わった1日だったことでしょう。進級児のお友達も、クラスや担任、同級生が変わったことで、平気な様子でも結構「気を遣っている」事があり、気づいていないうちに疲れているものです。

かくいうタカシ先生も入園式後は、「う〜ぅむ、今年の入園式は桜満開のお花見入園式だったため、少し気合いを入れすぎたかな?」となんだかぐったりしちゃってました。毎年の通年行事のタカシ先生でさえこうなんですもの、お友達だってそれ以上に疲れちゃっているに違いありません。

さて、登園初日を終え、「え?!思いの外順調なんですけどーー!!」とお思いの保護者の皆様。「(人差し指を左右に振って)チッチッチ」特に、年少さんと年少々さんは、まだ本領発揮できていませんからね。泣いて登園してこなかったお友達ほど少しずつ訳がわかってきて数日後には「あれ?なぜお母さんがいないんだっけ?」と周りを見渡す事でしょう。逆に、今ギャン泣きのお友達は「その事」がわかっているので順応するのも早いと思います。何はともあれ、泣く日が来ると思いますので、その日を楽しみにしつつ登園させてくださいね。

さてさて、「おかあさーーーん!」と叫び喚く子ども達。今日も、子どもの声に後ろ髪をひかれながら怪訝な表情で幼稚園を跡にされたお母様が、今年も見受けられました。そんなお母様の表情を垣間見て、タカシ先生はついこの間読んだ「ママがいい!」のこの一説を思い出しました。

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「ママがいい!(松井和著)」
「1週間の慣らし保育で泣き叫ぶ幼児の画像をまとめて編集し、政治家に見せれば保育はサービスだ、親のニーズに応えよ、などと安易に言わなくなるのではないでしょうか」と語った。
慣らし保育とは、何に慣れるように行う事なのか・「ママがいい!ママがいい!」という叫びになれるためなのか、慣れて言わなくなることになれるためなのか。0歳児から預ければ「ママがいい!」という言葉さえ存在しなくなる。大切なもの、人間が生きるきっかけのようなものが1つ1つ消えてゆく。
それに慣れようとしている社会に私たちは住んでいる。それに慣れた世代が、いつか気づいて「家族はいい!」と叫ぶ日がくるのだろうか。
慣らし保育で「ママがいい!、ママがいい!」と叫ばれた母親は、自分がいかにいい親だったから叫ばれたことを覚えておいてほしい。それは勲章だったのだ。長い人類の営みを持続可能にしてきたその言葉、聖母子像や観音像に繰り返し込められてきた喜びを真剣に向き合う時に来ている。
慣らし保育でお互いに流した涙は、人生で一番美しい涙だったかもしれない。
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泣き叫ばない子はこれから、特にお弁当を開けた時に保護者の皆様を思い出すでしょう。泣いている子どもたちは、今まさに「ママがいい!」のでしょう。

タカシ先生は、子どもは「泣くこと、騒ぐこと、走ること。そして寝ること」を仕事としていると思っているので、それを奪ってはならないと心底思ってます。
「落ち着きがなくて」と悩める親には「それは子どもの仕事ですから」と。
「うちの子うるさくて」と顔を顰める親にも「それは子どもの仕事ですよ」と。
そして泣くお友達には「たくさん泣きなさい。それは子どものお仕事ですよ」と、
声をかけるのです。
子どもが、泣けない、騒げない、走れない、そんな幼稚園は幼稚園じゃないのです。

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桜満開の幼稚園。新年中さん、君たちも入園したての頃は・・・笑

お手紙 [日記]

今日から令和6年度が始まりました。
今朝、いつものように出勤すると、机の上にお手紙が置いてありました。きっと、先週の登園最終日に、卒園して行かれた年長さんからのものでしょう。タカシ先生は生憎、中学校の部活に顔を出していて直接受け取れず、担任か誰かが預かりタカシ先生の机に置いて行ったものと思われます。保護者の方には申し訳ないことをしたと思いながらお手紙を、拝読いたしました。

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たかし先生、けいこ先生、中村幼稚園の先生方、長い間本当にありがとうございました。○(姉)と△(卒園児)の在園期間を合わせて5年間、本当にお世話になりました。
初めて○を連れて中村幼稚園を見学に行った時、広い園庭でのびのび遊ぶ○をみて、ここなら○が楽しく過ごせそうだなと思い第一印象で決めましたが、本当に中村幼稚園でよかったと思っています。○は3年生になりますが、今でも時折、幼稚園で楽しかった思い出をニコニコとお家で話します。

そして△です。△の3年間は、親も本人も時に楽しく、時に苦しい本当に濃い3年間でした。間違いなく△の人生を変えた幼稚園生活でした。

他害や特性がよく出ていた3歳の頃。通っていた保育園に退園を迫られ、この子の行く場所はどこにもない、どこへ行っても疎まれ、迷惑をかけてしまう存在なんだと途方に暮れていた時、藁にも縋る思いでタカシ先生に相談した所、二つ返事で入園をOKしてくださいました。拍子抜けする程の快諾でした。△に居場所を与えてくださって本当にありがとうございました。
中村幼稚園に入園しなければ、主治医の先生を紹介していただくこともなく、△は今でも(それが悪い意味ではなく)軽度知的障害と自閉症スペクトラム症の診断がついたまま、全く違った道を歩んでいたと思います。

あの時、タカシ先生が「△は多分自閉症じゃないよ」と気づいてくださったおかげて今の主治医の先生に繋げていただき、今適切な治療とサポートを受けられています。本当に感謝という言葉では言い表せません。

いつも楽しく拝見させていただいたタカシ先生のブログですが、その中でも私の中で「特別な記事」があります。2021年の「特別な子」というタイトルの日記です。その日記の中で紹介されていた「特別な子」は憶測でしかないのですが、きっとその頃の△と見たような特性を持っている子なのかな?と感じました。

その特別な子は、他の子と同じように毎日幼稚園に通い、先生と絆を深め、その子なりにたくさん成長し、立派に卒園式で御免状をもらったと書いてありました。私は勝手にその子と△を重ね合わせてしまって、△も、今は言葉が出なくても、落ち着いて席に座っていられなくても、幼稚園でお友達や先生との触れ合いの中で成長し、3年後にはこの子と同じように立派に卒園式に出られるかもしれない、と勇気づけられました。

そして迎えた3月14日。そこには、入園したての頃とは別人のように成長して、元気に担任の先生にお返事をし、立派に御免状をもらう△がいました。見違えるような姿でした。けれどそこにいた△は決して別人などではなく、3年間中村幼稚園の先生方と、そして△自身が頑張ってくれた結実の姿なのだと思いました。きっと親がの私が知っていることなどほんの一部でしかなく、私の与り知らぬ所での先生方の苦労も沢山あったことと思います。

△が一番手をつけられない、一番手のかかる時期に担任をしてくださった年少時の先生。明るい人柄にいつも元気づけられました。いつも全力で叱ってそして沢山褒めてくれた、年中、年長時の先生。△も私も大好きです。いつても、温かく寄り添ってくれた圭子先生。沢山沢山相談に乗ってくださいました。そして、時間外保育担当で、いつも優しく迎えてくれた担当の先生。△に楽しい遊びを沢山教えてくださいました。優しく、時に厳しく成長を見守ってくれたタカシ先生。△を救ってくださいました。△に関わってくださったすべての先生方、本当にありがとうございました。子どもは勿論、親として保護者として未熟な私も沢山助けられました。いつか立派に大きく成長した△の姿をまた中村幼稚園の先生方に見ていただきたいです。

○と△を心豊かな子に育ててくださって本当にありがとうございました。

R6.3.28 △の母

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なんというお手紙でしょう。みなさんは、このお母様からのお手紙を読んで、どのような感想をお持ちになられますか。それは人それぞれですし、読む方の立場によって受け止め方が千差万別だとは思いますが、タカシ先生はこのお手紙を朝一で読んでこう思うのです。

「お母さんが一番頑張りましたね。それは、中村幼稚園の教員全員が知るところです。」と。

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