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お手紙 [日記]

今日から令和6年度が始まりました。
今朝、いつものように出勤すると、机の上にお手紙が置いてありました。きっと、先週の登園最終日に、卒園して行かれた年長さんからのものでしょう。タカシ先生は生憎、中学校の部活に顔を出していて直接受け取れず、担任か誰かが預かりタカシ先生の机に置いて行ったものと思われます。保護者の方には申し訳ないことをしたと思いながらお手紙を、拝読いたしました。

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たかし先生、けいこ先生、中村幼稚園の先生方、長い間本当にありがとうございました。○(姉)と△(卒園児)の在園期間を合わせて5年間、本当にお世話になりました。
初めて○を連れて中村幼稚園を見学に行った時、広い園庭でのびのび遊ぶ○をみて、ここなら○が楽しく過ごせそうだなと思い第一印象で決めましたが、本当に中村幼稚園でよかったと思っています。○は3年生になりますが、今でも時折、幼稚園で楽しかった思い出をニコニコとお家で話します。

そして△です。△の3年間は、親も本人も時に楽しく、時に苦しい本当に濃い3年間でした。間違いなく△の人生を変えた幼稚園生活でした。

他害や特性がよく出ていた3歳の頃。通っていた保育園に退園を迫られ、この子の行く場所はどこにもない、どこへ行っても疎まれ、迷惑をかけてしまう存在なんだと途方に暮れていた時、藁にも縋る思いでタカシ先生に相談した所、二つ返事で入園をOKしてくださいました。拍子抜けする程の快諾でした。△に居場所を与えてくださって本当にありがとうございました。
中村幼稚園に入園しなければ、主治医の先生を紹介していただくこともなく、△は今でも(それが悪い意味ではなく)軽度知的障害と自閉症スペクトラム症の診断がついたまま、全く違った道を歩んでいたと思います。

あの時、タカシ先生が「△は多分自閉症じゃないよ」と気づいてくださったおかげて今の主治医の先生に繋げていただき、今適切な治療とサポートを受けられています。本当に感謝という言葉では言い表せません。

いつも楽しく拝見させていただいたタカシ先生のブログですが、その中でも私の中で「特別な記事」があります。2021年の「特別な子」というタイトルの日記です。その日記の中で紹介されていた「特別な子」は憶測でしかないのですが、きっとその頃の△と見たような特性を持っている子なのかな?と感じました。

その特別な子は、他の子と同じように毎日幼稚園に通い、先生と絆を深め、その子なりにたくさん成長し、立派に卒園式で御免状をもらったと書いてありました。私は勝手にその子と△を重ね合わせてしまって、△も、今は言葉が出なくても、落ち着いて席に座っていられなくても、幼稚園でお友達や先生との触れ合いの中で成長し、3年後にはこの子と同じように立派に卒園式に出られるかもしれない、と勇気づけられました。

そして迎えた3月14日。そこには、入園したての頃とは別人のように成長して、元気に担任の先生にお返事をし、立派に御免状をもらう△がいました。見違えるような姿でした。けれどそこにいた△は決して別人などではなく、3年間中村幼稚園の先生方と、そして△自身が頑張ってくれた結実の姿なのだと思いました。きっと親がの私が知っていることなどほんの一部でしかなく、私の与り知らぬ所での先生方の苦労も沢山あったことと思います。

△が一番手をつけられない、一番手のかかる時期に担任をしてくださった年少時の先生。明るい人柄にいつも元気づけられました。いつも全力で叱ってそして沢山褒めてくれた、年中、年長時の先生。△も私も大好きです。いつても、温かく寄り添ってくれた圭子先生。沢山沢山相談に乗ってくださいました。そして、時間外保育担当で、いつも優しく迎えてくれた担当の先生。△に楽しい遊びを沢山教えてくださいました。優しく、時に厳しく成長を見守ってくれたタカシ先生。△を救ってくださいました。△に関わってくださったすべての先生方、本当にありがとうございました。子どもは勿論、親として保護者として未熟な私も沢山助けられました。いつか立派に大きく成長した△の姿をまた中村幼稚園の先生方に見ていただきたいです。

○と△を心豊かな子に育ててくださって本当にありがとうございました。

R6.3.28 △の母

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なんというお手紙でしょう。みなさんは、このお母様からのお手紙を読んで、どのような感想をお持ちになられますか。それは人それぞれですし、読む方の立場によって受け止め方が千差万別だとは思いますが、タカシ先生はこのお手紙を朝一で読んでこう思うのです。

「お母さんが一番頑張りましたね。それは、中村幼稚園の教員全員が知るところです。」と。