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ママがいい! [日記]

1学期によく耳にする子どもの強い言葉「ママがいい!」

中村幼稚園でも4月は「慣らし保育」をしています。約3週間かけて(GWが過ぎるまで)段階的に降園時間を遅くしていき、GWを過ぎると通常時間になっていきます。

夏休みある本を読んでいますが、こんなことが書いてありました。

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〜前略〜
ある2代目若手男性園長がいた。そして「1週間の慣らし保育で泣き叫ぶ幼児の映像をまとめて編集し、政治家に見せれば、保育はサービスだ、親のニーズに答えよ、などと安易に言わなくなるのではないでしょうか」と語った。
慣らし保育とは、何に慣れるように行うことなのか。「ママがいい!ママがいい!」という叫びに慣れるためなのか、慣れて言わなくなることに慣れるためなのか。
0歳から預ければ「ママがいい!」という言葉さえ存在しなくなる。大切なもの、人間が生きるきっかけのようなものが、一つ一つ消えてゆく。
それに慣れようとしている社会に私たちは住んでいる。それに慣れた世代が、いつか気づいて「家族がいい!」と叫ぶ日がくるのだろうか。

慣らし保育で「ママがいい!ママがいい!」と叫ばれた母親は、自分がいい親だったから叫ばれたことを覚えてほしい。それは勲章だったのだ。
〜中略〜
慣らし保育でお互いに流した涙は、人生で一番美しい涙だったかもしれない。

毎日、子どもを保育園の置いてくるたびに心の中で涙してほしい。それに慣れないでほしい。昔は、多くの保育士たちがそう願いながら保育をしていた。「ママがいい!」の叫びに駆け引きがないことを知っていたのだ。しかしそう願っていたことを保育士養成学校ではもう教えない。そして、子ども達が置かれたあぶない状況を知る雇われ園長や元公立幼稚園にいた主任たちが「ここに預けてはダメだよ。」と理解してくれる親たちだけに耳打ちをして辞めていく。

----ここまで----

タカシ先生自身が乳児の頃、母親(前園長)が幼稚園教諭をしていたため、いっとき知り合いのおばちゃんの家に預けられました。「ママ!」と叫ぶタカシ先生に、母は「他人の子を預かって自分の子を見れないなんて」と、後ろ髪を引かれ涙を流して出勤した。と、聞いたことがあります。

今年の入園児の中にも、毎朝泣いて登園してきたお友達がいましたね。毎日毎日「ママ〜!」と泣いて登園するものだから、タカシ先生も毎日毎日「ママがいいよね」と言って手を繋いだり抱っこしたりしていました。

お母さんが泣く我が子をクラスまで連れていき、「ママー!」と叫んでも担任に預けタカシ先生の前を横切り正門を出るその表情と後ろ姿をタカシ先生は毎日見てきました。涙こそ流してないにせよ、きっとタカシ先生の母親と同じように心で泣いていたに違いありません。入園当初はそんな毎日でしたね。

長い夏休みが終わると、またこのような姿の園児を見ることになるかもしれません。でも、それは親としての勲章と思っていいですね。だって「ママがいい」んですから。

とはいえ、子どもの姿は様々ですので、年少のアンケートでは「泣くと思ったんですけど、振り返りもせずクラスに行っちゃって拍子抜け・・・。どんだけ幼稚園楽しいのよ!」という感想があったりします(笑)