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息子 [日記]

タカシ先生の長男は今年6年生です。娘は1年生です。

息子が3年生の時にコロナ禍に突入したので、保護者も小学校の運動会の参加は2年生まででした。4年ぶりに全児童で開催された小学校の運動会。タカシ先生はもとより息子の小学校での姿をみるのは3回目。そして今年が最後の運動会です。

小学生は「児童」でありますから、幼稚園ほど親の手を煩わせることもなく、子どももなんつうか「指定された場所で見ててよね。児童席になんてこないでよね。」というスタンスなのですが、こう言った事情からか、6年生の競技は「親子競技」でありました。

そんなこともあってか息子は事前に「親が出る競技があるから」とつっけんどんに報告され、タカシ親父は「お前はどっち(父母)に出てほしいんじゃい」と返すと「べつに、どっちてもいい」とにべもない回答。

そして運動会前日に競技の内容を聞くと「チャンス走」といって、「僕が走ってカードを拾ってくるから、カードに書いてある種目を親子でやるんだ。2人飛び縄跳び5回か、二人三脚。あとは、ボールを背中で挟んで走るか、輪投げ。そしてラッキーカードは何もせずに2人でゴール。と言った具合です。

ですので、タカシ親父は「お前縄跳びは2回跳びで行くぞ!絶対に引っかかるなよ」と2、3回練習をし、輪投げは楽勝だ。ボールを背中合わせも結構自信があるな。二人三脚?足を縛るところが問題だが、真ん中の足から、1、2でいくぞ!わかったか!!」と事前に打ち合わせをし、「お前できるならばラッキーカードを引いてこい!親父が出てあげるからありがたく思え」と息子に話し、息子は「あいあい」と軽くうなづくのです。

さて、娘のかけっこも終わり、6年生の親子競技の出番です。タカシ親父は「息子よ、ラッキーカードを引いてこいよ!」と念じつつ指定の場所に立ちます。そして号砲がならされるのです。同じグループには、卒園児のお父さん2名も加わった総勢6名。タカシ親父は負けず嫌いでありますので、「○○さんも一緒かぁ・・・」とできないふりをしつつ「ふふふ、準備は万端である。できればラッキーカードだが、二人三脚だけは引いてくるんじゃない。縄跳びであればなんとかいけるぜ!」と、カードを引いてきた息子の第一声は

「お父さん!!二人三脚っ!!!」

「がーーーーん」

息子の真剣な「二人三脚っ!!!」の声に「どこだ?!!」と息子の後を追い、ロープを結ぼうとしたその瞬間、息子が足首を結ぶ縄を取り、「ぱちん」とジョイントをハメ、スタートの準備。タカシ先生は「結ばなくて良いのか・・・」と感心するまに息子の一歩目がでるもんだから1から始まるのではなく「2、3、2、3。違う2、1、2、1」と息子共々テンでバラバラのリズムでなんとかゴールするのです。

なんつうか、1位を狙っていたというのに、終わってみると順位を気にする余裕もなく、息子の段取りの良さに感嘆し、さらに息子と肩を組んで走るなんてこれからの人生でもう二度とないんだろうなぁ・・・

と、しみじみ感じながら、結ばれたジョイントを外し、息子に「足首痛くないか?」と声をかけ「うん、平気」と息子の返事を聞いて会場を後にするのでありました。

そして児童席の脇を抜ける頃のタカシ先生の右手には、背丈が大きくなってタカシ先生に背が届きそうになった息子のしっかりした肩の感触のみが残っているのでした。

もう少しゆっくり大きくなってくれればいいいのにね。


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二人三脚の指定位置に向かって息子を追いかけるタカシ親父

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息子と肩を組むタカシ親父