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記録 [日記]

最近、コロナコロナコロナ…。このHPもコロナ関連の重い記事ばかり。豆まきの記事でコロナを一掃できたかと思いきやそうでもなく、本日も市内小学校で新たに学級閉鎖の措置が執られたり、別の小学校でも短縮授業になっていたり。幼稚園も首の皮一枚でなんとか保たれている感が否めない2月です。

そんな重い空気なタカシ先生の頭の中ですが、今朝はそれをも忘れさせる出来事が!

朝の自由時間、縄跳びをしたり、サッカーをしたり、砂遊びをしたり、追いかけっこをしたり。一昨日降った残雪を集めたりと、子ども達は思い思いに園庭で遊んでいます。そこへ、女の子二人がタカシ先生のところへかけてきて、「何気に」縄跳びをはじめました!「見てみて!」と言うわけでもなく「数えて!!」とせがむわけでもなく、何気に始めたのです。

タカシ先生も、そんな女の子を横目に登園してくるお友達に朝のご挨拶をしているのですが、2人のお友達が縄跳びを始めた時、こちらも何気に心の中で数えてあげていました。30回くらい飛んだところで「さーんじゅっ(30)」なんて声に出してあげたところで、1人の女の子のスイッチが入ったようです。

縄跳びをしながら、今日時点の最高記録のお友達の名前を出して「○君くらいまで跳べるかな?」とタカシ先生の顔を見ます。そんな女の子に「数えてるからばんばってみて!よーんじゅっ!」なんて。ここから長い旅が始まりました。

正門にはお友達が登園し、向こうの方では、他のお友達が遊び、事務所前ではタカシ先生と縄跳びの女の子。そしてそれを応援するもう1人。1回ずつ確実に回数を重ねていく縄跳びは、引っかかる気配がありません。「○ちゃん頑張って!」と応援するお友達に「んぐっ」なんてうなずくお友達。クラス帽子が脱げてしまってもお構いなし。その数は100から200になり、200から400へ。

そうこうしていると、年長さんのお集まりの時間になりました。園庭に散らばっていた砂場のおもちゃは遊んでいた年長さんの手で片付けられ、散り散りになって遊んでいたお友達も一斉にクラスへ向かいます。そこでタカシ先生は、縄跳びを応援してくれている女の子に「クラスに行って縄跳び頑張ってるから後で行くって言ってまた戻ってきて!」とお願いしました。

その女の子は、縄跳びをしているお友達の記録更新の重大さをわかっているようで、真剣な眼差しでうなずきクラスへ一目散。そして、同級生にもタカシ先生にも聞こえるように「縄跳び1000回跳びそうだから、やってて!!」って大きな声で訴え戻ってくるのです。その姿にまたまたスイッチが入ったお友達のジャンプにますます力が入ります。

「998、999、せーーーーんっ!」応援しているお友達とタカシ先生の歓喜の声にも、微動だにせず黙々と記録を伸ばすお友達。「すごいすごい!」の言葉をバネにまだまだ縄跳びが止まりません。

1200回くらいになった頃、年長さんが廊下に並んでこちらをみています「練習がはじまるよ〜!」と叫んでいます。年長さんの卒園式の練習がはじまるのです。そんな声に一瞬女の子の顔が曇りましたが、タカシ先生はすぐさま「それより今はなわとびが大切。タカシ先生がいるから跳んじゃって!○ちゃんも練習に行かなくていいから応援してあげて!」と。すると、燻っていたエンジンが再び息を吹き返したように再びリズム良く縄跳びをはじめたのです。

「先生、もう少し、もう少し・・・」顔を真っ赤にし、息を切らせて縄跳びをする女の子。その姿を応援するお友達に、数えるタカシ先生。こちらも、彼女の記録更新に、1500,1501,1502・・・と数える声に力は入ります。

しかし、終わりはあっけなくくるのです。ジャンプの力がだんだんなくなり、高く飛べず、縄を回るよりも早く着地してしまい、縄を両足で踏んだ瞬間、長い旅が終わりました。記録1978回。今年度2位の記録で、2045回という今年の最高記録には届きませんでした。しかし、彼女のやり切った感の顔はとても素敵。応援していた女の子も尊敬の眼差しで見つめ記録を讃え、そして、「最高(記録)じゃなかったね。」と、残念そうだけども清々しい表情で、息を切らせて「じゃ、いこっか」と、2人手をつないでクラスへ向かうその後ろ姿。なんか、青春ドラマの1ページを見てるみたいだった ლ(^o^ლ)


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ゾーンに入ったお友達