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クワガタ

朝の自由時間、年長児が園庭いっぱいに散らばって遊んでいます。タカシ先生は、朝の立哨活動の傍、園庭で遊ぶ年長児に目を配っているのですが、そのタカシ先生の存在はあまり必要のないのが今年の年長児です。タカシ先生がいようがいまいが、思い思いに遊び、自分のすきなところで幼稚園を満喫しているのです。タカシ先生は、その年長児の姿を見ているのが大好きなのです。

そんなタカシ先生の元へ年長男児がダッシュでかけてきました。タカシ先生のところへ形相を変えてかけてくるなんてことは今年初かもしれません。かけてくる年長児のあまりの目の飛び出ようにタカシ先生も「なんだなんだ?!」と視線を落としてみると、男の子は小さな手をタカシ先生に差し出し「ク、クワガタみっけた。あそこ!あそこで!!」って目は飛びだずは、鼻息は荒いは、手は震えるは、その興奮の度合いはすでにレッドゾーンです。

そんなつままれたクワガタ(コクワガタ)を見てタカシ先生も「ぬぉ!コクワじゃないか?!これは虫かごにいれなきゃな!!」と右往左往しながら、虫かごを探そうと踵を返すと、ある男の子が「俺、虫かごあっとこしってっぞ!!」なんて、クラスに駆けていきました。待つこと数分。その男の子が持ってきた虫かごの中にはすでに砂が敷かれ、木の枝も入れられ、さらにクワガタ用ゼリーが入っておるのです。「あ゛?」と思って虫かごを覗いてみると、そこには既にメスのコクワガタが入れられ飼育されておったのです。

オスメスのつがいになったコクワガタに年長男児はさらに大興奮。「オスとメスそろったぁ!!」なんてさらに鼻血を出す勢いで興奮し、それを聞きつけた同級生が「どれどれ、俺にもみせてくれぇ〜!!!!」と虫かごを取り囲むのでありました。

こうして子ども自身が、オスメスのクワガタがゲットできる幼稚園なんて、そんじょそこらにあるもんじゃありません。
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