SSブログ

0.1度

コロナのために、約1ヶ月遅く始まった令和2年度も今週で1学期も終了するところです。
今週に入ってこそ梅雨らしい天気になり、ちょっとばかし肌寒い日が続いておりますが、7月に入ってから幼稚園では、プール三昧の日々でございました。

タカシ先生は、毎朝決まった時間にプールへ赴き、水温や気温などを計測し「今日はプールに入れそうだな」とか「今日は気温が低いからちと無理だわい」とか、温度計とにらめっこをしているのであります。

そこで困るのが、あと「0.1度上がればプール可なんですけどーーー!」な時です。そんな時って、寒いんだか暑いんだかよくわからず、強引に「蒸し暑いから可!!」という訳にもいかず、タカシ先生はほとほと判断に困ってしまいます。「0.1度くらいいいじゃん」って言われてしまえばそうなんですか、じゃぁ、「0.2度はダメなのか?」とか「1度の違いなんて関係ないじゃん」とかになってしまい、もう堂々巡りになっちゃうでしょう。かといって、誰もいないところで温度計をさすってみたり、「ハーハー」と暖かな息をかけてみたり。「最後の手段!!」と言って、小学生が仮病を使い熱があるんだ!と自己申告するために体温計をストーブの前で温め40度超えにしてしまい、「あらまー!病院にいかなきゃ!!」てんて事なるような、そんな大失態をしてしまってもいけません。

かくして、0.1度足りない時は、タカシ先生は鬼のような形相で担任に「今日はプールはダメ!!」と毅然とした態度をとるのであります。担任から「タカシ先生、いけずぅ〜」と言われようとなんだろうと「0.1度足らないのだ!ダメなのだ!!」というのであります。

担任に何と言われようとタカシ先生は「ダメ!」というのでありますが、これが子ども達となると話は別。プールの状態を見「担任には、ダメ!」と言ったところで子ども達はタカシ先生がプールを「準備して帰ってきた」と思っているので、「プール!プール!」と大はしゃぎ。「た、た、タカシ先生!今日もプール入れるんだよねっ!」なんて瞳をキラキラ輝かせて聞かれちゃうとタカシ先生は、担任にもそうしたように鼻の穴をおっ広げて「ダメ!!」なんて、とてもじゃないけど言えません。ので、「先生に聞いておいでー!」と矛先を担任に向けてスタコラサッサと事務所へ帰ってくるのであります。

事務所では、「あぁ〜お天道様のバカバカ」と。ハンカチの裾を「キーーー」っとかみしめるタカシ先生でありますが、お天道様はやはり見ているものです。「タカシ先生よ、今すぐに温度計を見てまいれ」と天の声が。

すかさずタカシ先生は、温度計を再確認すると!!!0.1度あがっておる!!(ムキーーー)鼻の穴をさっき以上におっ広げて「今日はプールに入れる、入れるゾゥ!だって、蒸し暑いんだもん!!」と堂々と胸を張ってクラス担任に言い回るのでありました。

という、先週の話であります。今週は、天気予報を見るともう無理っぽいな・・・。