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苦手意識

只今HPに、体育Fの写真をアップしているところです。なかなか見応えがある写真ばかりで、全部掲載したくて苦労しているところです。もう少しおまちくださいね。

さて、皆さんには「苦手なもの」と言うものがありますか?タカシ先生はありますよ。何かは後で書きますが、そりゃもうこの年になって「なんで出来ないんだ!!そうじゃないだろ!!」と指導されることたびたびです。

タカシ先生は、剣道をしておるのですが、それは修行以外の何物でもありません。この年になると試合に出るわけでもないので「本番」というものがありません。強いて言えば本番は「毎回の稽古」ですね。そこで、高名な先生にご指導を賜りにいくのですが、その度に「そうじゃない!!」と一喝されます。自分ではやっているつもり、出来ている感じなのですが、やはり指導者からすれば物足りない。「もっと出来るはずなのに…」「きちんと教えているのに…」「先週も同じ事を言ったはず…」的な。ですから、ここ数年タカシ先生は叱られっぱなしでした。まぁ好きでやっている剣道ですし、大人が大人に習う立場でありますからその先生からの叱咤激励はイヤでも何でもありません。逆に言えば「叱ってくれて有り難うございます!」「ご指導賜り感謝申し上げます!」「益々精進致します!」といった立場です。

さて、幼稚園でも子ども達をやる気にさせて何かに取り組ませる事があります。鼓笛隊しかり、お店屋さんごっこしかり。体育教室しかり。もっと言えば、絵を一枚描くことだって、粘土をすることだって、お弁当を食べることだって幼稚園生活は、全てそのような作業や遊びの中で選択することでなり立っているようなものです。ですから「やりたくない」「出来ない」といったフレーズが子ども達から出てくるのは、日常茶飯事です。そこでやる気にさせる、というのが担任の手腕なのですが、それが行きすぎてはなりません。

タカシ先生は、幼稚園の時から跳び箱が大の苦手。跳び箱を横にした開脚跳びは本当に出来ません。小学生に上がり跳び箱を縦長にすると、それはそれば見事に跳べるようになったのですが、横向きの跳び箱の前に立つと未だに怖いのです。「開いた足が絶対に跳び箱に引っかかる」という強迫観念が抜けていないのです。

それには理由があります。タカシ先生の祖母は、園長という立場上、孫のタカシ少年の跳び箱の不甲斐なさに嫌気をさして、幼稚園のホールで跳び箱の特訓させました。苦手意識がある上に、そんなに好きでもない跳び箱。イヤイヤ練習させられますが、イヤなんですから上達しません。何度も何度も、毎日毎日練習させたと言います。どうにも跳べないどころか上達の見込みすらなかったのでしょう。それでも諦めずに練習を続けた祖母にタカシ少年は一言「おばーちゃん、そんなに言うなら跳んでみせてよ。」祖母は孫の言う台詞に「自分も跳べない」と言うことに気付き、練習する事を控え体育教室の先生に任せたといいます。

幼稚園生活は、様々な経験をするところです。子どもにとっては出来る事もあるし出来ない事もあります。同じ学年でも幼児期は「月齢」によって配慮しなければならい事もあります。体格だって、性格だって。家庭環境だって皆が違っているのです。むしろ3才から5才の子ども達には出来ない事の方が多いはずです。様々な経験をさせる中で、何か1つだけの結果だけをもとめて、幼稚園生活をさせていたら将来「何かに苦手意識」をもった大人となってしまうでしょう。開脚跳びは苦手なタカシ先生の様に・・・。

幼稚園生活は、結果を求めるのではなくそこに至るまでの過程を大切にしたいものですね。また、様々な視点から見て、その子の良いところを探してあげたいと思っています。跳び箱跳べなくたって、良いところを沢山持っている中村幼稚園の子ども達です。

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小学生でありながら、跳び箱6段(横)を跳べなかったタカシ少年。原因は苦手意識を植えられたからか、はたまたただ単運動神経が悪いのか・・・。この後のタカシ先生の気持ちを、原稿用紙2枚でまとめよ。