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お誘い

朝の「0時間目」早朝からお庭でサッカーに興じている年長組男児グループの1人から「タカシ先生もサッカーに混ざっておくれよ!」とのお誘いがありました。はいはい、この言葉を待っておりましたよ。

幼稚園の広いお庭には、サッカーゴールが一対用意してあって、いつでもサッカーをすることができるのです。2学期からサッカーをし始める年長男児の姿が見られ始めましたが、ゲームらしいゲームになったのはココ最近のことです。そしてゲームが始まると言うことは、優劣も明らかに見られるようになり「いつものメンバー」で勝てないということも出てくるのです。そうすると「ココは一丁強力な助っ人が欲しい」と言うことを思いつき、「おぉ!タカシ先生が実に暇そうにしているではないか!」と声を掛けてくるのであります。

長年こんな風な朝ですと声が掛からない年もあります。その年はその年で「タカシ先生なんて必要ねーし」みたいな子ども達のスタンスでありますから、タカシ先生も「まざんねーし」みたいな感じで、勝手にやらせておくのですよ。

あ、ここで少し丁寧に説明しなければなりませんが、子どもの自由遊びに先生と言われる大人が大人の視点で介入すると、その遊びは長続きしない事があるという、子どもの遊びの特性みたいなものがあるのです。タカシ先生が毎年「おいらも混ざるぜ!」と一緒にボールを蹴ったとしても、果たしてそれがその年の子ども達が本当に求めているものなのか、ということは、判断がとても難しいのであります。サッカーのルールはルールでありますが、この場合サッカーのルールよりも「その時の子ども達なりのルール」がありますので、返って「大人が入らないで見守っていた方が盛り上がり長続きする」ということもあります。「まざんねーし」とか「勝手にやらせておく」いうタカシ先生の視点をくれぐれも勘違いしませんように。

ってなわけで、今年は「なんとかウチらのチームを助けてくり」とも取られる風でありましたので、「ココはひとつ常勝チームをこてんぱんにやっつけてやろう!助太刀いたす!」と、勇んでチームに加わりました。

一方の常勝チームは、「お?!タカシ先生がそっちのチームなのか?でも負けねーし」とチームが一丸となってボールを蹴ります。華麗なドリブル、相手のパスカット、キーパーの機敏な動き。なかなか手強い相手ではありますが、やはりタカシ先生お得意の、子ども達をなぎ倒すブルドーザードリブルに、空気を切り裂く稲妻シュートにはかなわないのであります。1点2点と次々に得点を重ねあっという間に点差が広がります。

それなのに、常勝チームときたら「ずるいぞ!」とか「勝てるわけないじゃん」なんて投げやりにならず、タカシ先生にシュートを決められる度に楽しそうに「やられたーーー!」なんて身体をしならせながら笑顔でいっぱい。もちろん、勝てなかったチームはタカシ先生がゴールを決める度にハイタッチなのです。

そんな楽しそうなサッカーゲームに、「まーぜーてー!!」とチラホラと仲間が加わってきたところでタカシ先生は「頃合いだな」とキーパーの座につくのでありました。というのは、格好良い言い方でありまして、本当は膝がガクガクな上、ろくに準備運動もしませんでしたので、背中の筋肉が「ピキッ」と言い寝違えた見たいになっちゃったの・・・。もぅ年だなぁ・・・